愛しの
クラスメートの甲斐隆臣だった。
愛しの
隆臣であった。
愛しの
(くどい)あの人の名前だった。
などと結姫が思ったかどうかは本人に聞いてみないと分からないが。
愛しの
(またやる)隆臣君は席替えで隣の席になっていた。こうして二人の距離はどんどん近づき、もう誰にも止められなくなるのだ〜
などと妄想をふくらましていた所に現れたのは、恋敵の和泉那智♂である。
隆臣君はあんな言い方しないもん……
隆臣君は笑顔がかわいくて
隆臣君はもっとずっとやさしくて
時にはおちゃめでそれでいて頼もしくて
だからあんな冷たいこと言うような人じゃないもん
きっとたまたま名前が同じだけ
あたしの隆臣君はどこにいるの?
きっとこの世界のどこかであたしが来るのを待ってる
いつかきっと会えるよね
隆臣君。たとえほんの少しでも
こんないじわるな奴と一緒にしてごめんね
でも顔はいいのよね……捨てがたいわ
こんなあたしを許してね
な変身シーンからは想像もつかないようなキモい怪人へと変身を遂げたのだ!網タイツにボンテージ、そして頭にはみかんのネットを被っている。